神崎(歴史的地名)(読み)かんざき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神崎(歴史的地名)」の意味・わかりやすい解説

神崎(歴史的地名)
かんざき

平安時代に京都と山陽、九州とを結ぶ水上交通の要衝として栄えた集落。淀(よど)川の支流神崎川の河口に近い摂津(せっつ)国川辺(かわべ)郡(兵庫県)にあったが、洪水により水路が変わっているため現在地の確定は困難である。通行する旅客船員を相手に売春婦が集住したことで、上流江口と並んで有名である。大江匡房(まさふさ)『遊女記』には、娼家(しょうか)がすきまもなく軒を並べ、川舟を使って船上の客を誘ったとあり、京都から遊客が訪れるほどのにぎわいであった。

[原島陽一]

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