日本大百科全書(ニッポニカ) 「神山(町)」の意味・わかりやすい解説
神山(町)
かみやま
徳島県中東部、名西(みょうざい)郡にある町。1955年(昭和30)神領(じんりょう)、鬼籠野(おろの)、阿野(あの)、下分上山(しもぶんかみやま)、上分上山の5村が合併、町制施行して成立。国道193号、438号が通じる。鮎喰(あくい)川の上流域を占める農山村で、スダチ、ハッサク、ウメ、花卉(かき)、シイタケの栽培が盛んである。1819年(文政2)上山地区で貢租に抗した上山騒動とよばれる一揆(いっき)が起こり、700人もの百姓が参加したという。中西部の焼山(しょうさん)寺は四国八十八か所第12番札所で、雨乞(あまごい)の滝、神通滝とともに中部山渓県立自然公園となっている。また、北東部には広大な県立神山森林公園、中央部に神山温泉がある。下分出土の平形銅剣は国指定重要美術品、粟飯原家住宅(あいはらけじゅうたく)は江戸中期の農家建築で国指定重要文化財である。上一宮大粟神社(かみいちのみやおおあわじんじゃ)は粟(阿波(あわ))国の開祖神大宜都比売命(おおげつひめのみこと)を祀(まつ)る。面積173.30平方キロメートル、人口4647(2020)。
[高木秀樹]
『『神山町史』全3巻(2005・神山町)』