祓所神(読み)はらえどのかみ

朝日日本歴史人物事典 「祓所神」の解説

祓所神

祓のことを掌る神。祓は罪や穢れを除き払う儀礼で,大祓祝詞に登場する瀬織つひめ,速開つひめ,気吹戸主,速さすらひめの4神を指す。大祓によって,人々の犯した罪は,人形木綿などの祓具に移されて川から海に流されるが,その祓具は,まず瀬織つひめが川の瀬で受け取り海原まで運び,次に海原の潮路にいる速開つひめが,それを呑み込んで気吹戸主に渡し,そして,気吹戸主が根の国に送り遣ると,根の国にいる速さすらひめが海の底に捨て去るという。平安時代には宮中でこの大祓が盛んに行われ,『紫式部集』にも「はらへとの神の飾りのみてぐらにうたてもまがふ耳はさみかな」と歌われたりしている。

(西條勉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android