礼安里古墳群(読み)れいあんりこふんぐん(英語表記)Yeanni-kobungun

改訂新版 世界大百科事典 「礼安里古墳群」の意味・わかりやすい解説

礼安里古墳群 (れいあんりこふんぐん)
Yeanni-kobungun

大韓民国,慶尚南道金海郡大東面に位置する古墳群。洛東江下流の西方約2.3kmの地点にあり,南1.5kmにはその支流竹林江が西流する。古墳群は馬山という標高50mの丘陵西麓の斜面から平地にかけて立地する。1976,78年に国立中央博物館,釜山大学校博物館によって発掘され,長方形方形の竪穴式石室墓115基,木槨・木棺墓を含む土壙墓37基,甕棺墓22基が検出された。4世紀前後から7世紀に至る共同墓地である。土器のほか,鉄斧,鉄鑿(のみ),鉄鏃,鹿角製柄付刀子,大刀,鉄鎌,鉄鋌甲冑,耳飾,玉類などが副葬されていた。良好な状態で多数の人骨が出土しており,古代民族の形質学的研究に貴重な資料である。また長方形石室墓は単葬,方形石室墓では2~3体,4~5体が合葬されており,伽耶国における埋葬形態,とりわけ殉葬の問題を考えるうえで重要である。付近に,池内洞,府院洞,金海貝塚(金海)など原三国~三国時代の遺跡が分布する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報