磨墨・摺墨(読み)するすみ

精選版 日本国語大辞典 「磨墨・摺墨」の意味・読み・例文・類語

する‐すみ【磨墨・摺墨】

[1] 〘名〙 (磨(す)って使うところから) 書画に用いる墨。また、墨の色。
※風情集(1178頃)「するすみにすずりのいしのつぶるまでかくともつきじおもふうれへは」
草枕(1906)〈夏目漱石〉六「女のつけた振袖に、紛たる模様の尽きて、是非もなき磨墨に流れ込むあたりに、おのが身の素性をほのめかして居る」
[2] 源氏武将梶原景季が源頼朝から賜わった名馬の名。寿永三年(一一八四佐々木高綱生唼(いけずき)と宇治川の先陣を争ったことで有名。
平家(13C前)九「鎌倉殿〈略〉梶原にはする墨をこそたうだりけれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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