破笠・破傘・破暈(読み)やぶれがさ

精選版 日本国語大辞典 「破笠・破傘・破暈」の意味・読み・例文・類語

やぶれ‐がさ【破笠・破傘・破暈】

〘名〙
① からかさ、または、かぶりがさの破れたもの。
※新撰六帖(1244頃)五「さりとてもさせる事なきやふれかさ骨を折りてぞ君につかへし〈藤原信実〉」
② (破暈) 月の暈(かさ)に星が入っていること。このような時は雨が降らないという。〔譬喩尽(1786)〕
③ (破傘) キク科の多年草本州、四国、九州の山地の林下に生える。高さ〇・六~一メートル。葉は楯状長柄をもち径四〇センチメートルぐらいの円形で掌状に深く五~九裂する。裂片はさらに披針形の二片に中裂し縁に鋸歯(きょし)がある。夏、茎の上部に白い頭状花を円錐状につける。総包片は五個。小花はすべて管状花。冠毛は淡褐色和名は、葉の切れ込みが深く、破れた傘を思わせ、若葉は傘をすぼめた形をしていることによる。漢名、菟児傘(とじさん)。やぶれからかさ。《季・夏》 〔物品識名(1809)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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