日本大百科全書(ニッポニカ) 「石川(町)」の意味・わかりやすい解説
石川(町)
いしかわ
福島県中通り南部、石川郡にある町。阿武隈(あぶくま)川に注ぐ社(やしろ)川と北須(きたす)川や今出(いまで)川の合流地に位置する。1894年(明治27)町制施行。1955年(昭和30)沢田、山橋、中谷、母畑(ぼばた)、野木沢の5村と合併。国道118号(石川街道)とJR水郡(すいぐん)線がほぼ南北に走り、御斎所(ございしょ)街道が鮫(さめ)川の谷を通って東方のいわき市に通じる。石川の地名は『和名抄(わみょうしょう)』にあり、1063年(康平6)以来と伝えるが、この地を支配した一族も石川氏を名のった。石川氏の本城の三芦城(みよしじょう)跡は三方が急崖(きゅうがい)の地にあり、石都々古和気神社(いわつつこわけじんじゃ)がある。米作が中心で、畜産、野菜やリンゴ栽培なども行われている。町域内には阿武隈高地周辺としては珍しく、母畑、猫啼(ねこなき)などの温泉がある。また鉱物の標本的産地である石川山もある。景観のよい農業用水ダム(千五沢(せんごさわ)ダム)などと関連してレークサイドセンターなどの観光施設の整備が進んでいる。面積115.71平方キロメートル、人口1万4644(2020)。
[渡辺四郎]
『『石川町史』上下(1967、1968・石川町)』▽『『石川町史』(2006~ ・石川町)』