20世紀日本人名事典 「石井 十次」の解説
石井 十次
イシイ ジュウジ
明治期の社会事業家 岡山孤児院創立者。
- 生年
- 慶応1年4月11日(1865年)
- 没年
- 大正3(1914)年1月30日
- 出生地
- 日向国児湯郡上江村(宮崎県高鍋町)
- 学歴〔年〕
- 岡山県立甲種医学校中退
- 経歴
- 小学教員、警察官を経て、明治15年岡山の医学校に入学。17年キリスト教に入信、初めカトリック、のちプロテスタントに改宗、孤児・貧児救済を志し、20年岡山市内に孤児教育会を設立。次いで医学校を中退、23年岡山孤児院を設立、救済事業に専念した。24年濃尾大震災に際し、被災孤児100余人を収容、盲啞院、博愛医館なども創設。27年から宮崎県茶臼原(のち西都市)に原野を譲り受け院児の一部を移し、開拓に当たらせた。39年東北の大飢饉では孤児800余人も含め1200人を岡山孤児院に収容、42年児童全員を茶臼原に移し、植民村を作った。さらに大阪に分院友愛社を創設、保育所、夜間学校を設け、日本最初のキリスト教社会事業家として貢献した。彼の“敬天愛人”の精神は大阪の石井記念愛染園、西都市の石井記念友愛社に引き継がれている。平成4年石井十次賞が設立された。著書に「石井十次日誌」。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報