矢野原遺跡(読み)やのはるいせき

日本歴史地名大系 「矢野原遺跡」の解説

矢野原遺跡
やのはるいせき

[現在地名]北方町辰

標高約一二二メートルの阿蘇溶結凝灰岩の台地上に位置し、低地との比高は約九〇メートル。平成三年(一九九一)と同四年に発掘調査が行われ、二枚の火山灰層(Ah・AT層)と三つの遺物包含層が確認された。縄文時代早期とAT上位(第二文化層)下位(第一文化層)である。AT下位の石器群が確認されたのは延岡市畑山はたやま遺跡・川南かわみなみ後牟田うしろむた遺跡など県内では層位的調査例が少なく貴重である。第一文化層では数点のスクレーパー類・石核・剥片類が出土した。石材では水晶・チャート・流紋岩・砂岩などが利用されている。第二文化層では石器・剥片・細片などを含め約三千点が出土し、接合資料も豊富で石核から四種類の縦長剥片剥離技術と二種類の横長剥片剥離技術(うち一つは瀬戸内技法の影響がうかがえる)などが想起されるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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