矢尾喜兵衛(初代)(読み)やお・きへえ

朝日日本歴史人物事典 「矢尾喜兵衛(初代)」の解説

矢尾喜兵衛(初代)

没年:天明4.5.15(1784.7.2)
生年:正徳1(1711)
江戸中期の近江商人。近江国蒲生郡中在寺村(滋賀県日野町)の農業大橋利兵衛の次男幼時,日野栗屋町矢野新右衛門の武蔵国秩父郡野上村の出店へ奉公に入り,支配人を経て,寛延2(1749)年別家となり,主家の1字を取って矢尾氏を創姓し,秩父大宮(秩父市)に舛屋利兵衛の店名で,元手金120両の酒造業を始めた。太物,米塩,日用雑貨を扱い,質屋も兼業した。50歳で結婚後は国元に居住し,毎年看店のため下向した。終始主恩と奉公人の労苦を忘れず,自らを厳しく律し,どんな物品も粗末にせず,効用を使い尽くすことにつとめ,質素篤実に徹した生涯を送った。<参考文献>矢尾新助編『温古集録』

(末永國紀)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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