真良村(読み)しんらむら

日本歴史地名大系 「真良村」の解説

真良村
しんらむら

[現在地名]三原市高坂たかさか町真良

別迫べつさこ村の西から西南に位置した大村。安芸国豊田郡に属した。耕地は、たか山と毘沙門びしやもん山の間を抜けて南の本郷ほんごう(現豊田郡本郷町)に至る沼田ぬた川の支流仏通寺ぶつつうじ川流域の低地と、船木ふなき(現本郷町)へ流れる二瀬ふたせ川上流域に形成された標高一七〇メートル前後の馬井谷うまいだに、北部に広がる標高二〇〇―三五〇メートルの鹿群しむら高原に展開する。

北部丘陵末端部と南部丘陵東斜面から弥生時代後期の弥生式土器・鉄刀子が出土。仏通寺川流域の丘陵斜面には多くの古墳が築造され、横穴式石室をもつ後期古墳には大陣おおじん古墳群・小陣こじん古墳群・真良古墳群などがある。「和名抄」所載の沼田郡真良郷の中心で、村内を古代山陽道が南北に走り、馬井谷に真良駅が置かれたと考えられている。

中世には沼田庄に属し、本郷村・船木村との境に位置する高山たかやま城には沼田小早川氏が拠った(豊田郡本郷町の→高山城跡。正応二年(一二八九)閏一〇月九日付の関東下知状写(小早川家文書)によると、正嘉二年(一二五八)小早川茂平が妻浄仏に譲った所領のうち真良および吉野屋敷八町門田は、娘松弥に譲るとされていたが、譲渡に際して相論があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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