真導廃寺遺跡(読み)しんどうはいじいせき

日本歴史地名大系 「真導廃寺遺跡」の解説

真導廃寺遺跡
しんどうはいじいせき

[現在地名]西条市中野

加茂かも川が西条平野に流出する左岸に生じた中野の河岸段丘の北部平坦面に立地する。標高二五―二六メートル、ひうち灘までの直線距離は約三・五キロ。遺跡のある平坦面の西は以前の浸食崖である山麓へと続く。山麓に真導庵という小さな堂があり、ここに半焼薬師如来が祀られてあって、これから当所が寺院跡であったろうと古老により語り伝えられ、郷土史研究者たちもこれを真導薬師寺と称し、創建を平安末の康平六年(一〇六三)伊予守源頼義によるものとしていた。

当遺跡の発見は昭和五年(一九三〇)の布目瓦出土確認に始まり、廃寺創建もこれによって平安中期にまでさかのぼって考えられた。昭和五〇年三月発掘調査の結果、周辺にある経塚は鎌倉時代以後のものであるが、布目瓦は奈良時代後半のものであることがわかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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