相撲・角力(読み)すもう

精選版 日本国語大辞典 「相撲・角力」の意味・読み・例文・類語

すもう すまふ【相撲・角力】

〘名〙 (歴史的かなづかいは、動詞「すまう(争)」の終止・連体形の名詞化とみて「すまふ」とするのが有力であるが、連用形「すまひ」のウ音便とみて「すまう」とする説もある)
① 二人の力士が土俵の中で素手で相手を土俵の外に出すか、倒すかして勝敗を争う競技。古くは、打つ蹴るなどの技もあり、武術として発達した。また、宮中行事や農耕儀礼神事としても行なわれた。足利時代になって、興行化・遊戯化され、職業力士集団も生まれた。近世になってから、きまり手、禁じ手や土俵が定められ、職業相撲が発達した。現在、日本相撲協会のほか、各アマチュア相撲があり、日本の国技とされている。すまい。《季・秋》
※延慶本平家(1309‐10)一本「先つ顕はれての御祈には百番の芝田禾百番の一つ物、競馬、矢鏑、相撲(スマフ)
※三国伝記(1407‐46頃か)五「領家重て云く、我最上の相撲(スモウ)持てり、汝と相せん」
③ 「すもう(相撲)の節(節会)」の略。〔至宝抄(1585)〕
[語誌](1)「書記‐垂仁七年七月」に見られる「(すまひ)」の例が、日本における相撲の始まりとされる。これは、中国の「角力」に通じ、力競べを意味する。「新撰字鏡」にも「」に「知加良久良夫(ちからくらぶ)」とある。
(2)中古和文の仮名書き例は「すまひ」のみであるが、中世末には「すまう」の方が、より日常的な語形となっていたと考えられる。→「すまい(争)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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