直歳(読み)シッスイ

デジタル大辞泉 「直歳」の意味・読み・例文・類語

しっ‐すい【歳】

禅宗寺院で、伽藍がらん修理山林田畑などの管理作務さむを管掌する役職六知事の一。

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精選版 日本国語大辞典 「直歳」の意味・読み・例文・類語

しっ‐すい【直歳】

〘名〙 (「しっ」「すい」はそれぞれ「直」「歳」の唐宋音) 仏語。禅宗で、一年交替で、寺内の修理、什器整理田園などの管理にあたる職。また、その役僧。六知事の一つ
正法眼蔵(1231‐53)安居「某国某州某山寺、今夏結夏、海衆戒臘如後〈略〉某甲直歳」 〔勅修百丈清規‐下一〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「直歳」の意味・わかりやすい解説

直歳
しっすい

禅宗寺院における6つの役職 (六知事) の一つ。寺内の1年間の幹事役。もとは主として客僧接待の役であったが,のちに広く寺務一切を管理する重職とされた。

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世界大百科事典(旧版)内の直歳の言及

【荘主】より

…すなわち禅院内を教学方面の西班と経済関係の東班に分かち,寺院の経理や荘園経営は東班の禅僧に行わせた。東班の最高位を都聞(つうぶん)または都官と呼び,その下に都寺(つうす),監寺(かんす),副寺(ふうす),維那(いのう),典座(てんぞ),直歳(しつすい)の六知事を置いて,これらの禅僧を東班衆と総称した。中国では副寺の下に現地の経営者である荘主がおり,荘主もまた都荘と副荘に分かれ,その下に諸荘監収がおり,甲幹荘甲(日本の名主に相当)を支配し,最下層に耕作民たる佃戸(でんこ)が位置した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」