皆野(読み)みなの

改訂新版 世界大百科事典 「皆野」の意味・わかりやすい解説

皆野[町] (みなの)

埼玉県西部,秩父市の北に接する秩父郡の町。人口1万0888(2010)。秩父盆地の入口にあたり,町域の大部分山地である。中心集落の皆野は,町の中央を北東に流れる荒川と支流赤平川との合流点の河岸段丘上にある。谷口集落の性格をもち,江戸時代には上野,信濃への交通の要所であり,現在も国道140号線と秩父鉄道が通じ,商業が盛んである。かつては秩父銘仙の織物工場が多かったが,現在は通信機器や電子部品の工場にかわった。コンニャク栽培のほか,近年はブドウ,栗,シイタケなどの観光農業の振興が図られている。町域の大部分は長瀞玉淀県立自然公園に属する。《秩父音頭発祥の地で,8月には秩父音頭祭が行われる。町立民俗文化財収蔵庫にある秩父の山村生活用具と荒川水系の漁労用具は国の重要有形民俗文化財に指定されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報