病因論(読み)びょういんろん(英語表記)etiology

翻訳|etiology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「病因論」の意味・わかりやすい解説

病因論
びょういんろん
etiology

病気の原因を広範な見地から研究すること,およびその説。人間の病気あるいは病変は,単に原因のほか,対応する特異な生体反応が関与しているため,数量的因果律だけで解明を求めることは不可能といってよい。条件は単純にみえる感染症でも,病原菌のみを病因とは断定できず,主因とみなされる場合が多く,同じように,ほとんどすべての病気には主因のほか副因あるいは誘因が関係している。一般に外部環境または外来異物の侵入を主とするものを外因性疾患,個々の素質や条件の影響が強いものを内因性疾患と呼ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の病因論の言及

【病因】より

…病気の原因,すなわち病気を成立させる障害因子のこと(なお病気の原因の作用するしくみをはじめ,病気の原因を広範な見地から考究する学問を病因論という)。病気は決して一つの単純な原因によるものではなく,原則として多数の原因の組合せに基づくものである。…

※「病因論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」