由良(町)(読み)ゆら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「由良(町)」の意味・わかりやすい解説

由良(町)
ゆら

和歌山県中部、日高(ひだか)郡にある町。1947年(昭和22)町制施行。1955年白崎(しらさき)、衣奈(えな)の2村と合併。JR紀勢本線(きのくに線)、国道42号が通じる。紀伊水道に面するリアス海岸の由良湾に臨む由良港を中心とする。地方港湾で由良ドック(旧、由良三井造船)が立地する。湾の北部は白馬(しらま)山脈の西端にあたり、石灰岩が露出し、シダリス(ウニの仲間)のとげ化石が含まれ、「門前(もんぜん)の大岩」(国の天然記念物)がみられる。またフズリナ化石の露出する白崎は由良とともに『万葉集』などに詠まれた景勝地で、ガジュマルの茂る衣奈、大引(おおびき)、小引の海岸とともに白崎海岸県立自然公園に指定され、白崎海洋公園もつくられている。衣奈には中生代にできた石灰洞窟(どうくつ)の戸津井鍾乳洞(しょうにゅうどう)がある。沿岸漁業や養殖漁業、ミカン栽培などが行われる。法燈(ほうとう)国師開山の興国寺(こうこくじ)は虚無僧(こむそう)の本山として知られ、国指定重要文化財の絹本著色法燈国師像などを蔵する。面積30.94平方キロメートル、人口5364(2020)。

[小池洋一]

『『由良町誌』全4巻(1985~1995・由良町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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