田浦町(読み)たのうらまち

日本歴史地名大系 「田浦町」の解説

田浦町
たのうらまち

面積:三二・九六平方キロ

葦北郡の北西端にあり、西側は九州山地が八代海に入込み、リアス海岸を形成する。ほとんどが山間部で、赤松あかまつ川・田浦川・宮浦みやのうら川・小田浦こだのうら川などが田浦湾に流入する部分に小平野があり、江戸時代にはその地先に田浦新地・小田浦新地などの干拓地がつくられている。北は赤松太郎あかまつたろう峠を境に八代市に、南は佐敷太郎さしきたろう峠を境に芦北あしきた町に接する。この二つの峠は、南の芦北津奈木つなぎ町境の津奈木太郎つなぎたろう峠とともに古くから薩摩街道の三太郎さんたろう峠と称され、陸上交通の難所であった。そのため他地域との交流には海路が多く利用され、中世から近世初期にかけては水軍の拠点の一つとなっていたといわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報