用富名・持留村(読み)もちとみみよう・もちどめむら

日本歴史地名大系 「用富名・持留村」の解説

用富名・持留村
もちとみみよう・もちどめむら

用富名は中世小河おがわ院などに散在していた名で、持富とも記した。持留村は用富名の名称を継承したと思われる近世の村で、囎唹そお郡に属し、現在の国分市南西部、天降あもり川の河口左岸付近にあったと考えられる。しかし伝えられる史料は少なく遺称地なども残っていないので不明な点が多い。大隅国建久図田帳では小河院三四八丁余のうちの国方所当弁田(正八幡宮領応輸田)のうちに「用富四十五丁」とみえ、郡司酒井宗房が支配していた。応永三〇年(一四二三)二月三日山田久興(玄威)は所領(計二四町五反)を書上げ、これにかかる段銭(四貫九〇〇文)を申告しているが(「山田玄威申状」山田氏系図)、このなかに「持富三町」(小河院内)が含まれていた。なお同年には大内盛見によって豊前宇佐宮の行幸会が再興されており、あるいはこの段銭は同神事にかかわるものか。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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