生贄・犠牲(読み)いけにえ

精選版 日本国語大辞典 「生贄・犠牲」の意味・読み・例文・類語

いけ‐にえ ‥にへ【生贄・犠牲】

[1] 〘名〙 (「いけ」は生かしておく意の「いける」から)
① 生きものを生きたまま神に供えること。また、その供え物。〔十巻本和名抄(934頃)〕
今昔(1120頃か)二六「此国に験じ給ふ神の御(おは)するが、人を生贄に食也」
② ある物事、ある人のために生命や名利を投げ捨てること。犠牲(ぎせい)
あめりか物語(1908)〈永井荷風〉酔美人「果敢ない犠牲(イケニヘ)覚悟が、我知らず心の底に起って来るのでした」
[2] (生贄) 謡曲。四番目物。廃曲。作者不詳。富士権現の使い、日の御子の神が生贄のくじに当たった旅の一家を助ける。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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