環分析(読み)カンブンセキ

化学辞典 第2版 「環分析」の解説

環分析
カンブンセキ
ring analysis

構造グループ分析(structural group analysis)ともいう.炭化水素の化学構造と物理的性質の間に存在する一般的関係にもとづいて,構造のタイプ分けとそれらの量によって組成を表現する方法.石油系高沸点炭化水素の組成分析に用いる.ウォーターマン(Waterman)法およびn-d-M法がある.たとえば,後者潤滑油中のパラフィン系,ナフテン系,芳香族系炭化水素の割合を,屈折率,比重,分子量を測定して,これらの値から計算して求める.分析結果の表現方法には二通りある.一つは,試料油の平均分子中の環含量,すなわち芳香族環数 RA,ナフテン環数 RN および全環数

RTRARN
で表す方法と,もう一つは,炭素分布,すなわち芳香族炭素パーセント;% CA,ナフテン環炭素パーセント;% CN,およびパラフィン炭素パーセント;% CP とし,

CA + % CN + % CP = 100
で表す方法である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報