日本大百科全書(ニッポニカ) 「玖珠(町)」の意味・わかりやすい解説
玖珠(町)
くす
大分県中西部、玖珠郡にある町。1927年(昭和2)万年(はね)村が町制施行し、玖珠町と改称。1955年(昭和30)に、1893年(明治26)町制施行した森町と北山田(きたやまだ)、八幡(やはた)の2村と合併。町名は古代以来の郡名による。JR久大(きゅうだい)本線、国道210号、387号と大分自動車道が通じる。豊後(ぶんご)森駅付近は玖珠盆地の中心集落となり、盆地北隅の森藩(久留島(くるしま)氏1万2500石)の旧城下町森はさびれた。盆地底は一面の水田。盆地周辺には大岩扇山(だいがんせんざん)(国指定天然記念物)、万年(はね)山などのメサ(テーブル状台地)が多く、牧牛地、採草地になり、日出生(ひじゅう)台溶岩台地は陸上自衛隊演習場となっている。キャベツ、トマトなどの高原野菜、スギ、シイタケの林産物もある。城跡の三島(みしま)公園には、藩主の末裔(まつえい)で童話作家の久留島武彦(たけひこ)を記念した童話碑が立てられている。また毎年5月5日には日本童話祭が行われる。面積286.60平方キロメートル、人口1万4386(2020)。
[兼子俊一]
『『玖珠郡史』(1960・玖珠町、九重町)』