犬走(読み)いぬばしり

精選版 日本国語大辞典 「犬走」の意味・読み・例文・類語

いぬ‐ばしり【犬走】

〘名〙
築地(ついじ)の外壁や堤などと、その外側の溝または敷石の間の小路。犬の通い得るほどの空間の意という。犬ゆき。
※半井本保元(1220頃か)中「築地の犬走にぞ打て出」
② 城の垣(かき)と堀との間にある狭い空地。
※築城記(1565)「土居の堀より内は武者ばしりと云也。外は犬ばしりと云」
③ 建築物の外壁に沿った周囲の部分をコンクリートや砂利(じゃり)敷きにしたもの。
※雁(1911‐13)〈森鴎外〉一八「竪に鐵の棒を打ち附けた窓で、その外には犬走(イヌバシ)りに植ゑた側柏(ひのき)が」
④ 犬のように小走りに走ること。
※俳諧・うたたね(1694)下「犬走り三里隔る斎(とき)だんな〈拙打〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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