片荒(読み)かたあらし

精選版 日本国語大辞典 「片荒」の意味・読み・例文・類語

かた‐あらし【片荒】

〘名〙 平安時代、地味がやせているために、一年耕作したら次の年には休ませておく田畑易田(えきでん)
※新撰六帖(1244頃)二「山がつのそともの小田のかたあらしこぞのつくりはしめもおろさず〈藤原知家〉」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「片荒」の解説

片荒
かたあらし

平安時代の和歌にみえる語で,隔年に休耕させる田畠をさす。完全な未開地である荒野や半永久的な荒廃地である常荒(じょうこう)・河成(かわなり)に対し,年荒(ねんこう)ともよばれた。休耕地はふつう一円地ではなく,耕作中の土地と混在している。休耕中は標(しめ)をおろさず,牛馬放牧のための共同用益地として利用された。田令に規定された易田(えきでん)も類似のもの。

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