燻返(読み)くすぶりかえる

精選版 日本国語大辞典 「燻返」の意味・読み・例文・類語

くすぶり‐かえ・る ‥かへる【燻返】

〘自ラ五(四)〙
① 煙の煤(すす)ですっかり黒くなる。すっかりすすける。くすぼりかえる。
初恋(1889)〈嵯峨之屋御室〉「此家は煤だらけに燻(クス)ぶり返って、見る影もないアバラス堂で」
② すっかり陰気なさまになっている。くすぼりかえる。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「況(いは)んやこんな燻り返った老書生に於てをや」

ふすぼり‐かえ・る ‥かへる【燻返】

〘自ラ四〙
① くすぼる煙にすすけてまっ黒になる。すっかり焦げたようになる。
太平記(14C後)二〇「炉壇(ろだん)の烟にふすぼり返て、怨敵調伏の法をぞ行はれける」
② すっかり不機嫌になる。ひどくむくれる。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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