熊野(町)(読み)くまの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「熊野(町)」の意味・わかりやすい解説

熊野(町)
くまの

広島県南西部、安芸(あき)郡の町。1918年(大正7)町制施行。吉備(きび)高原の標高200メートル前後に位置し、中央に小盆地が開ける。江戸末期に熊野出身の井上治平が広島藩の御用筆司から筆づくりを学び村民に伝えたことに始まる「熊野筆」の町として有名。全国生産の約8割を占め、伝統的工芸品に指定されている。毛筆のほか、画筆、化粧筆などもつくられ、海外へも輸出する。広島市や呉(くれ)市に近く住宅団地の開発も進み人口も増加している。1990年広島熊野道路が開通した。面積33.76平方キロメートル、人口2万2834(2020)。

[北川建次]


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