照降（読み）てりふり

精選版 日本国語大辞典

てり‐ふり【照降】

〘名〙

① 照ることと降ること。晴天と雨天。

※俳諧・続猿蓑（1698）上「飯櫃(いびつ)なる面桶(めんつ)にはさむ火打鎌〈惟然〉 鳶で工夫をしたる照降〈支考〉」

※或る女（1919）〈有島武郎〉前「その年の天気は、〈略〉照り降りの乱雑な空合(そらあひ)が続き通していた」

② 平穏と不穏。変わって定まらないことのたとえ。

※浄瑠璃・信州川中島合戦（1721）三「扨(さて)々揃はぬ人の心のてりふりや」

③ 「てりふりがさ（照降傘）」の略。

てれ‐ふれ【照降】

〘名〙 ＝てりふり（照降）

※浄瑠璃・甲賀三郎窟物語（1735）四「今添ふ男は照(テ)れ降(フ)れの、下駄と雪踏の商ひよ」

出典　精選版 日本国語大辞典