照太寺(読み)しようたいじ

日本歴史地名大系 「照太寺」の解説

照太寺
しようたいじ

西江前にしえまえの西部にあり、浮亀山と号し、臨済宗妙心寺派。照泰寺とも記し、本尊聖観音。かつては首里円覚えんかく寺の末寺であったという。第四代住持月江の撰になる碑文の写(石碑は沖縄戦で焼失)などによると、当寺創建の経緯は次のようなものであった。嘉靖年間(一五二二―六六)伊江いえ島で毎夜大光が放たれる怪異があり島民はこれを王府に奏申した。尚清王(在位一五二七―五五年)の派遣した使者は島で古鏡を得てこれを持帰った。王が老僧を招じ尋ねると、古鏡は天照大神の垂迹であり、霊社を建ててこれを奉安するようにとの答であった。尚清王は草庵を建立し、一僧を置いて古鏡を安置した。照太寺の寺号は天照大神にちなむという。さらに崇禎一一年(一六三八)先王尚寧王の遺志を継いだ尚豊王が堂宇を重修して、月江を住持に任じたという。「伊江村史」に所載される第五八代洞州(明治前期)までの当寺の歴代住持を記した覚書(永山メモ)では、創建は嘉靖三三年、開山は「とたう坊」で、以下二代亀坊主・三代三郎坊主・四代月江・五代万国と続いている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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