焼内湊・宇検湊(読み)やきうちみなと・うきえんみなと

日本歴史地名大系 「焼内湊・宇検湊」の解説

焼内湊・宇検湊
やきうちみなと・うきえんみなと

焼内湾にあった湊。近世前期に屋喜内やきうち湊・焼内湊などとみえるのは、宇検湊をはじめ湾内の名柄ながら湊・佐念さぬいん湊などの総称と考えられる。「喜安日記」によれば、慶長一六年(一六一一)江戸に連行された琉球王の尚寧王が帰国する途次、九月二九日に口永良部くちのえらぶ島を出て一〇月二日に「大島うけん」に着船している。正保琉球国絵図に「焼内湊」とみえ、入三里、広さ三〇町、深さ三〇尋で、船の係留は東西南北いずれの風でも自由であり、大船は二〇〇艘ほどつなぐことができるという。この焼内湊は湾内のいずれの湊か不明であるが、宇検村の入江辺り、「もと海の崎」と「ゑお崎」の間を抜けて南の西之古見にしのくみ(現瀬戸内町)、北の大和馬場やまとばば(現大和村)に通じる航路が描かれているので、宇検の可能性が高い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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