点・灯・燭(読み)ともす

精選版 日本国語大辞典 「点・灯・燭」の意味・読み・例文・類語

とも・す【点・灯・燭】

〘他サ五(四)〙
灯火をつける。火を燃やす。点火する。とぼす。
万葉(8C後)一五・三六四八「海原沖辺に等毛之(トモシ)(いさ)る火は明して登母世(トモセ)大和島見む」
② 男女が交合する。とぼす。
洒落本・仮根草(1796か)三子東深結妓「ぬしゃきつひくろふせふだね、もしこの子をともす気か」
[語誌]上代から平安初期にかけては「ともす」の例しか見えないが、平安中期にm→b交替形の「とぼす」が出現し、中世には「ともす」を圧倒するまでに勢力を伸ばした。しかし、近世になると再び「ともす」が勢力を盛り返し、遂には「とぼす」を中央語から駆逐した。現在では、方言を除いて「とぼす」は見られない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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