瀬名・瀬名郷(読み)せな・せなごう

日本歴史地名大系 「瀬名・瀬名郷」の解説

瀬名・瀬名郷
せな・せなごう

江戸期の瀬名村一帯に比定される中世地名。瀬奈などとも書く。南北朝中期、抜隊得勝は駿河国「世(那)」の小院で冬を越したといい(抜隊和尚行実)当地の可能性が高い。永和三年(一三七七)一二月一一日の官宣旨(円覚寺文書)には、鎌倉円覚寺領として「瀬奈春吉」がみえる。応永二三年(一四一六)一〇月、上杉禅秀の乱により鎌倉を逃れた鎌倉公方足利持氏は「瀬名」に退避しており(「鎌倉大日記裏書」など)、瀬名奥の安楽寺に逗留したともいう(「喜連川判鑑」など)。寛正六年(一四六五)今川了俊子孫である治部少輔(今川範将か)の所領である「世奈」が、没収されて幕府御料所となった(「親元日記」同年八月二日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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