濯・洒・滌・漱(読み)すすぐ

精選版 日本国語大辞典 「濯・洒・滌・漱」の意味・読み・例文・類語

すす・ぐ【濯・洒・滌・漱】

〘他ガ五(四)〙 (古くは「すすく」)
① 水をかけて汚れを流す。水で清める。水できれいに洗う。
※聖語蔵本成実論天長五年点(828)二二「止垢を揩(する)が如く水もて洗(ススグ)が如し」
※千曲川のスケッチ(1912)〈島崎藤村〉一二「時には漬物まで湯ですすがねばならぬ」
② (漱) 口中をゆすぐ。口の中を洗い清める。うがいをする。くちすすぐ。
書紀(720)敏達一〇年潤二月(寛文版訓)「乃ち泊(はつ)瀬の中流(かはなか)に下(おりゐ)て〈略〉水を漱(スス)ぎて盟(ちか)ひて曰さく」
③ けがれた心や世の中などを清める。不浄を除き去る。
源氏(1001‐14頃)朝顔「この一つの事にてぞ、この世の濁りをすすい給はざらん」
※新古今(1205)釈教・一九二六「にごりなきかめ井の水を結びあげて心のちりをすすきうる哉〈上東門院〉」
汚名を除き払う。身の恥をはらす。
拾遺(1005‐07頃か)恋・七〇六「こはた河こは誰が言ひし事のはぞなき名すすかむ滝つ瀬もなし〈よみ人しらず〉」
太平記(14C後)一五「且は山門の恥を洗(スス)ぎ、又は継体の儲(ひつぎ)を全せんために」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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