漕回(読み)こぎみる

精選版 日本国語大辞典 「漕回」の意味・読み・例文・類語

こぎ‐・みる【漕回】

〘自マ上一〙 漕いでまわる。漕ぎめぐる。
万葉(8C後)三・三五七「縄の浦ゆ背向(そがひ)に見ゆる沖つ島榜廻(こぎみる)舟は釣しすらしも」

こぎ‐めぐ・る【漕回】

〘自ラ四〙 舟を漕いであちこちまわる。漕ぎまわる。
※万葉(8C後)一七・三九九三「さざれ波 立ちても居ても 己芸米具利(コギメグリ) 見れども飽かず」

こぎ‐まわ・る ‥まはる【漕回】

〘自ラ五(四)〙 舟を漕いであちらこちらをめぐる。漕いでまわる。こぎめぐる。こぎまう。
※新撰六帖(1244頃)三「こぎまはる湊の舟の鯉かせにひれのさわぎの浪高く見ゆ〈藤原信実〉」

こぎ‐た・む【漕回】

〘自マ上二〙 舟を漕ぎながらめぐる。漕ぎまわる。
※万葉(8C後)六・九四二「許伎多武流(コギタムル) 浦のことごと ゆきかくる 島のさきざき」

こぎ‐ま・う ‥まふ【漕回】

〘自ハ四〙 =こぎまわる(漕回)
源氏(1001‐14頃)胡蝶「舟に乗せ給うて〈略〉その山の崎より、こぎまひて」

こぎ‐まわ・す ‥まはす【漕回】

〘他サ五(四)〙 舟を迂回させて漕いでいく。
※新撰六帖(1244頃)三「湊入りはなぎさ伝ひにこぎまはせとあさもあらば舟もこそゐれ〈藤原光俊〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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