漁火の(読み)いさりびの

精選版 日本国語大辞典 「漁火の」の意味・読み・例文・類語

いさりび‐の【漁火の】

(古くは「いざりひの」) 「火」は古語で「ほ」といい、また、漁り火遠くより「ほのか」に見えるところから、表面に現われ出るの意などに使う「ほ」、または「ほのか」にかかる。
万葉(8C後)一九・四二一八「鮪(しび)突くと海人(あま)のともせる伊射里火之(イザリひの)ほにか出ださむわが下思(したも)ひを」
※後撰(951‐953頃)恋二・六八一「いさり火のよるはほのかにかくしつつ有へばこひのしたにけぬべし〈藤原忠国〉」

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