滾・激(読み)たぎつ

精選版 日本国語大辞典 「滾・激」の意味・読み・例文・類語

たぎ・つ【滾・激】

〘自タ四〙
① (古くは「たきつ」とも) 水がわきあがる。水があふれるように激しく流れる。
万葉(8C後)一・三九「山川も依りて仕ふる神ながら多芸津(タギつ)河内に船出するかも」
② 心がたかまる。心がわきかえる。激情がおしよせる。また、いらだつ。
※落梅集(1901)〈島崎藤村壮年の歌「静息(やすみ)なく激(タ)ぎつ胸には柵(しがらみ)もなにかとどめん」
[語誌](1)「滝(たぎ・たき)」「たぎる(滾)」と同根の語で、名詞形は「たぎち」。
(2)第二音節は、古く濁音であったと考えられるが、「万葉‐三二四〇」に清音と見られる例「多企都(タキツ)瀬を見つつ渡りて」があり、濁音から清音化していったものと考えられる。

たぎち【滾・激】

〘名〙 (動詞「たぎつ(滾)」の連用形名詞化) 水が激しく流れること。水などのわきあがること。また、その流れ。激流奔流
※万葉(8C後)九・一六八五「川の瀬の激(たぎち)を見れば玉かも散り乱れたる川の常かも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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