滝寺(読み)たきじ

日本歴史地名大系 「滝寺」の解説

滝寺
たきじ

[現在地名]三野町加茂野宮

加茂野宮かものみや北方西王地にしおうじにある。万念山千光院と号し、真言宗御室派。本尊聖観音境内の近くに三つの滝がある。寺伝によれば小笠原長経が創建し、小笠原家の香華院とされたという。「昔阿波物語」によると三好氏の氏寺で真言宗寺院であったが、天正三年(一五七五)三好長治(長春)が阿波一国の寺院を日蓮宗に改めたとき、当寺も一時日蓮宗になったという。天正年間に長宗我部元親の兵火に罹ったが、再建された。寛永二年(一六二五)にも火災に遭った。延宝七年(一六七九)には大洪水で伽藍が砂石に埋まったため、住僧の快盛が徳島藩主に替地を請うたが果せず、元禄一〇年(一六九七)宥義が先住遺志を継ぎ、やっと二町余の寺地を得て伽藍を再興したと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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