湯舟沢村
ゆぶねざわむら
恵那山(二一八九・八メートル)・南沢山(一五六八メートル)、男山(一三四二・四メートル)などの木曾山脈の山々が伊那谷との境をなし、村はその西斜面と湯舟沢川などがつくった段丘上に立地する。冷川・温川は霧が原の台地を挟むように流れ、ひとつになって湯舟沢川とよばれ、釜沢川と合流して落合川となり木曾川に注ぐ。東山道の難所のひとつである神坂峠(標高一五九五メートル)の麓に位置する巨岩を中心にした山畑遺跡からは有孔円板・剣形石製品・石製鏡・勾玉などが出土し、五世紀末から六世紀初めに盛んに祭祀が行われていた。近世は信濃国筑摩郡に属し、はじめは幕府領で木曾の山村甚兵衛が代官を勤めた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報