湯田郷(読み)ゆたごう

日本歴史地名大系 「湯田郷」の解説

湯田郷
ゆたごう

和名抄」高山寺本は「由太」、東急本は「由多」の訓を付す。延暦一六年(七九七)八月に離宮りきゆう院が度会郡沼木ぬき高川原たかがわらから当郷宇羽西うはし(現小俣町)に移転している(神宮雑例集、「園太暦」延文二年一二月九日条)。「皇太神宮儀式帳」や「延喜式」神名帳には「湯田ユタノ神社」を載せる。郷内に皇大神宮摂社狭田国生さたくなり社、豊受宮摂社の小俣おばた社が鎮座する(伊勢二所太神宮神名秘書)。「外宮神領目録」には諸郷祭料として「一石四斗湯田郷」、「神鳳鈔」には「湯田郷」がみえる。光明寺古文書には「粟野村」「上宇羽西村字太良垣内」「湯田野」「小俣御薗字上窪」「松倉」などの地名がみえ、康永三年(一三四四)の法楽寺文書紛失記(京都市田中忠三郎氏蔵文書)には「長深村四土口里」「筒岡」「長深村七条大林里」「岡村前」「長深村九条四葦里 五打里」などに法楽ほうらく寺の所領が散在している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android