温樹(読み)おんじゅ

精選版 日本国語大辞典 「温樹」の意味・読み・例文・類語

おん‐じゅ ヲン‥【温樹】

〘名〙 (漢の孔光が、宮中の温室殿にどんな木がはえているかと家人に聞かれても、黙って答えなかったという、「漢書‐孔光伝」に見え、「蒙求」に引かれた故事に基づく造語) 温室殿にある木。それについて語らないということで、朝廷内のことをみだりに口にしない、つつしみ深さのたとえにいう。
菅家文草(900頃)五・上巳日、対雨翫花「温樹莫知多又少、応夢到上仙家

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報