渡櫓(読み)わたりやぐら

精選版 日本国語大辞典 「渡櫓」の意味・読み・例文・類語

わたり‐やぐら【渡櫓】

〘名〙
左右石垣にまたがらせて造ったやぐら。下が通路となる。
太平記(14C後)一七「渡櫓(ワタリヤグラ)、高櫓三百余箇所掻双べたり」
廊下のように長く続いた櫓。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「渡櫓」の解説

渡櫓
わたりやぐら

櫓を連結するために用いられる多聞(たもん)。連立式や連結式の天守で,天守と小天守をつなぐものなどがあり,姫路城に現存する。江戸時代大坂城は,本丸全体に渡櫓が巡っていた。また櫓門両側の石垣上に渡した櫓をさす場合もある。このほか多聞そのものを渡櫓とよぶことがある。

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