多聞(読み)たぶん

精選版 日本国語大辞典 「多聞」の意味・読み・例文・類語

た‐ぶん【多聞】

〘名〙
多く物事を聞いて知っていること。博識。物知り
※私用抄(1471)「仏法を修行せんにも道を工夫せんにも心はひとつにて、いつのいとまありてか多聞をもつくし侍らん」 〔孟子‐万章下〕
② 多くの人にもれきこえること。
小右記‐万寿二年(1025)二月九日「本自不宜之中也、若作知顔多聞歟」

た‐もん【多聞】

[1] 仏語。仏の教えを多く聞き、心にとどめおくこと。仏法を多く聞き知っていること。また一般に、知識見聞の多いこと。〔勝鬘経義疏(611)〕
今昔(1120頃か)一「多聞第一の阿難来て食を乞ふ」
梁塵秘抄(1179頃)二「一乗法華の受持者をば、薬王勇施多聞持国十羅刹の、陀羅尼を説いてぞ護るなる」

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デジタル大辞泉 「多聞」の意味・読み・例文・類語

た‐もん【多聞】

仏語。仏法を多く聞いて身を持すること。
多聞天」の略。

た‐ぶん【多聞】

多くの物事を聞き知っていること。物知り。「博学多聞
多くの人に漏れ聞こえること。
「事―に及ばば」〈太平記・一〉

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「多聞」の解説

たもん【多聞】

兵庫日本酒特別本醸造酒「特撰飛天盃」、「爽本醸造生貯蔵酒」、カップ酒乾杯」などがある。大正13年(1924)創業の「多聞酒造」の銘柄だったが、同社が平成17年(2005)会社更生法適用を受けるのにともない商標は「大関」が継承。「大関」は正徳元年(1711)創業。所在地は西宮市今津出在家町。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多聞」の意味・わかりやすい解説

多聞
たもん

城の石垣の上にある長屋風の矢倉をいい,走り櫓 (やぐら) ,多聞長屋ともいう。松永久秀が永禄年間 (1558~70) 大和 (奈良県) 多聞城に建造したことからこう呼ばれたという。

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普及版 字通 「多聞」の読み・字形・画数・意味

【多聞】たぶん

見聞を多くする。〔論語、為政〕子曰く、多く聞きて疑はしきを闕(か)き、愼んで其の餘を云へば、則ち尤(とが)寡(すく)なし。

字通「多」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「多聞」の解説

多聞

兵庫県の酒造メーカー、大関が製造・販売する清酒の商品名。2005年に多聞酒造から譲り受けたブランド。

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