朝日日本歴史人物事典 「渋江保」の解説
渋江保
生年:安政4.7.26(1857.9.14)
翻訳・著述家,心霊研究家。江戸本所に,渋江抽斎と五百の次男として生まれ,名を成善といった。高等師範学校,慶応義塾卒。浜松中学校教頭,愛知中学校長,慶応義塾の教師となる。明治23(1890)年より,翻訳・著述業に専念する。ウィーンの医師メスマーの動物磁気説(メスメリズム)や催眠術,心霊学に関心を抱き,スウェーデンの精神医学教授,ジョーンスツロム著『催眠術』の翻訳をはじめとして,多くの催眠術や心霊学の書物を翻訳,著述した。森鴎外が『渋江抽斎』を執筆する際には,資料を提供して助力を惜しまなかった。<著作>『人身磁力催眠術』<参考文献>森鴎外『渋江抽斎』
(川村邦光)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報