消滅放射線(読み)ショウメツホウシャセン

デジタル大辞泉 「消滅放射線」の意味・読み・例文・類語

しょうめつ‐ほうしゃせん〔セウメツハウシヤセン〕【消滅放射線】

粒子反粒子衝突して対消滅する際に放出される電磁波。ふつう電子と陽電子の衝突で、反対方向に放出される二つ光子γ線)を指す。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「消滅放射線」の解説

消滅放射線
ショウメツホウシャセン
annihilation radiation, annihilation ray

定義としては,粒子と反粒子が衝突して消滅する際に放出される放射線であるが,電子・陽電子の消滅過程の際の放射線をさすことが多い.静止に近い状態で結合して消滅するので,電子の静止質量にあたる511 keV の光子2個が反対方向(180°)に放出される.脳腫瘍など,がんの診断に用いられる陽電子放射断層撮影法(PET)は,体内に陽電子を発生して崩壊する単寿命の放射性核種11C,15O,18F などでラベルした薬剤静脈注射または吸入させて,電子との反応により発生する消滅放射線を利用し,患部病変を画像化して診断する方法である.通常の診断用X線よりエネルギーが高いので透過性が高く,解像度も高い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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