消残(読み)きえのこる

精選版 日本国語大辞典 「消残」の意味・読み・例文・類語

きえ‐のこ・る【消残】

〘自ラ五(四)〙
① すべてが消えてしまわないで、あとに少し残る。
万葉(8C後)九・一七〇九「御食(みけ)向ふ南淵山(みなぶちやま)の巖(いはほ)には落(ふ)りしはだれか削遺(きえのこり)たる」
② 生き残る。
源氏(1001‐14頃)橋姫「見し人も宿も煙になりにしをなにとてわが身きえのこりけむ」

け‐のこり【消残】

〘名〙 消えずに残っていること。消え残り。
※万葉(8C後)二〇・四四七一「気能己里(ケノコリ)の雪にあへ照るあしひきの山橘を裹(つと)に摘み来(こ)な」

け‐のこ・る【消残】

〘自ラ四〙 消え残る。消えないで残っている。
※万葉(8C後)一九・四二二六「この雪の消遺(けのこる)時にいざ行かな山橘の実の照るも見む」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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