消入(読み)きえいる

精選版 日本国語大辞典 「消入」の意味・読み・例文・類語

きえ‐い・る【消入】

〘自ラ五(四)〙
① ひとりでに、また、しだいに、消えてなくなる。
源氏(1001‐14頃)薄雲「燈火などのきえいるやうにて果て給ひぬれば」
② ひどく心に感じて、正気をなくす。人ごこちがなくなる。恥ずかしさに身も世もないようなさまになる。
※枕(10C終)九〇「弁のおもとといふに伝へさすれば、消え入りつつ、え言ひもやらねば」
浮世草子・好色一代男(1682)五「里へ帰る御名残(なごり)に、昔しを今に一ふしをうたへばきえ入斗(ばかり)
③ 息が絶えてしまう。気絶する。仮死状態になる。
※源氏(1001‐14頃)真木柱「よべ、にはかにきえいる人のはべしにより」
④ (③から転じて) 死ぬ。
落窪(10C後)四「つひに七日きえ入り給ひぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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