浅野栄足(読み)あさの・よしたり

朝日日本歴史人物事典 「浅野栄足」の解説

浅野栄足

没年天保5(1834)
生年天明2(1782)
江戸後期の能楽史研究家。素謡の教授を専門とする京観世五軒家(岩井,林,井上,薗,浅野)のひとつ浅野家8代目の当主通称太左衛門,号橘園。出家後は宗雲と称す。文化2(1805)年に家督を継ぎ,同5年には同家を福王流から観世宗家の下に所属変更する。歴代の観世大夫の伝記『観世家譜』をはじめ,『翁舞神歌考』『能楽余録』『優伎録』など研究の成果を次々に発表。著書は大部分雅文体で,残された詠草をみると桂園派歌人らとも交際があったらしい。研究のため多くの文書類を収集したが,それらは現在もなお史料的価値が高い。<参考文献>野々村戒三『近畿能楽記』

(石井倫子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「浅野栄足」の解説

浅野栄足 あさの-よしたり

1782-1834 江戸時代後期の能役者,能楽史家。
天明2年生まれ。京観世五軒家(かんぜごけんや)のひとつ浅野家8代。文化2年家督をつぎ,5年福王流であった浅野家を観世流とした。天保(てんぽう)5年7月10日死去。53歳。通称は太左衛門。号は橘園。著作に「観氏家譜」「優者年表」「優伎録」など。

浅野栄足 あさの-えいそく

あさの-よしたり

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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