浄土山(読み)じようどさん

日本歴史地名大系 「浄土山」の解説

浄土山
じようどさん

立山本峰の南にそびえる。標高二八三一メートル。立山本峰・べつ山とともに立山三山の一つ。いわゆる「三山かける」は浄土山・本峰・別山の順に縦走するのが通例であった。立山信仰上重要な山で、立山曼荼羅では必ず浄土山の上空日輪を描き、二十五菩薩の来迎を描く。「和漢三才図会」にも「浄土山ニ到リ一尊三光ノ如来、二十五菩薩ヲ拝ス」とある。寛文六年(一六六六)の立山ざら越之図(山岸家蔵)、元禄一三年(一七〇〇)の立山禅定並後立山黒部谷等絵図(県立図書館蔵)をはじめ、ほとんどすべての立山絵図・新川郡絵図の類に記載され、頂上には祠が描かれていることが多い。

浄土山
じようどやま

市の中央部に位置する標高五〇〇・八メートルの山。多良たら岳の寄生火山鐘状火山(トロイデ)である。この山は、鹿島三代藩主鍋島直朝が佐賀本藩から与えられたものという。明治維新の際、一時、官山となったが、のち鹿島鍋島家の所有となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の浄土山の言及

【立山】より

…奈良時代,越中の国司大伴家持に詠われた〈たちやま〉(《万葉集》)は,劔岳を含めた連峰の総称である。一般に立山というときは,最高峰の大汝(おおなんじ)山(3015m)と雄山(おやま)(2992m)を指すが,これに南側の浄土山(2887m)と北側の別山(べつさん)(2882m)とを加えた立山三山を指す場合もある。立山はいずれも古期の花コウセン緑岩と飛驒変成岩で構成されている。…

※「浄土山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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