洲浜文(読み)すはまもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「洲浜文」の意味・わかりやすい解説

洲浜文
すはまもん

洲のある浜辺景観、ないしは洲浜台(すはまだい)をかたどった模様。家紋にも使用される。これは屈曲した洲浜を様式化したもので、前面に湾を設け、その左右と後方琴柱(ことじ)型に突出した形式をとる。平安時代以後、吉祥(きちじょう)模様として調度衣服に用いられた。東京国立博物館の洲浜双鳥鏡(すはまそうちょうきょう)(羽黒山御手洗池出土)や、洲浜鵜螺鈿硯箱(すはまうらでんすずりばこ)(重要文化財)は平安時代の洲浜文として著名である。

村元雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android