津賀地村(読み)つかじむら

日本歴史地名大系 「津賀地村」の解説

津賀地村
つかじむら

[現在地名]土佐市塚地つかじ

波介はげ村の東、波介川南岸の山間の村。南に向かって細長く、しだいに谷に入る。村の中央を波介川の支流塚地川が北流。塚地とも記し、近代に入ってこれが定着。南方宇佐うさ村へ越える塚地坂(宇佐坂)は標高一八〇メートルの峠道で、四国遍路の往還であり、近世高岡たかおか・波介方面から年貢米、宇佐方面から塩や海産物がこの峠を越えた。谷奥東の斜面「大猿バミ」の塚地古墳は後期の横穴式石室墳で、須恵器が出土したという。谷入口東側の「今ケ谷」、北西初田はつた(用石分)からは平安時代の土師質土器と須恵質土器が出土している。

中世は高岡庄に属したとみられ、弘治三年(一五五七)本山茂辰が家臣に与えた坪付状(蠧簡集)に「七ケ所 塚地末政名内 合田畠壱町内田分弐反、残屋敷畠」とある。この年本山茂辰は中村一条氏から蓮池はすいけ城を奪い、三年後にはまた奪回されている。永禄一二年(一五六九)当地方から一条氏を駆逐した長宗我部氏は、天正一七年(一五八九)検地を実施。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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