津南(読み)つなん

改訂新版 世界大百科事典 「津南」の意味・わかりやすい解説

津南[町] (つなん)

新潟県南部,中魚沼郡の町。人口1万0881(2010)。十日町盆地最南端にあり,北部を流れる信濃川沿いに日本有数の段丘地形が発達し,支流中津川,志久見川が深い浸食谷をうがっている。中津川上流は長野県栄村の一部を加えて秋山郷と呼ばれ,落人伝説をもつ秘境として知られる。明治に入って正面ヶ原,津南原などの段丘面開拓が進み,1973年から始まった国営苗場山麓総合農地開発事業も完成して,米作のほか,タバコ,野菜など畑作畜産が行われる。豊富な水資源と比高の大きな段丘崖を利用した水力発電も盛んで,鹿渡(しかわたり)の信濃川発電所をはじめ10の発電所がある。歴史民俗資料館には重要有形民俗文化財に指定された秋山郷の民具が保存されている。中津川渓谷,七ッ釜(名・天),逆巻(さかさまき)温泉などの観光地があり,スキー場をはじめとする総合リゾート施設建設も進んでいる。JR飯山線,国道117号線が通じる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報